Feb

26

合唱曲の力

はぴトレについて|February 26,2010 12:04 PM

みなさんの思い出の合唱曲ってなんですか?

私は、今でもお風呂で「気球に乗ってどこまでも」を口ずさむし、「仰げば尊し」を聞くと胸に迫るものを感じます。
合唱曲には皆で歌った思い出の持つ力だけでなく、人が声を合わせて歌うことの力強さのようなものがあると思います。
かの名曲「WE ARE THE WORLD」もそう。
ライオネル・リッチーがどんなに渋く歌いあげても、KING OF POPがファルセットで聞かせても、ひとりでは伝わらない力がある。
人間がひとつの思いに向けて力を合わせること、同じ思いの下に互いを思いながら声を合わせることにも、合唱曲の持つ大きな力があるのではないでしょうか。

娘たちの合唱祭を聞きに行ったときのことです。
曲目は、岡村孝子の「夢をあきらめないで」や杉本竜一の「Believe」ゆずの「逢いたい」。ほかにも「この星に生まれて」や「Tomorrow」など、一度は耳にしたことのある曲ばかり。
いつの時代も変わらない友情や別れ、若さゆえの悩みや迷いへのエールが込められた歌詞が心に響き、また声を合わせ一生懸命歌う若者たちの一途さと純粋さに感動しました。

青春の入り口で、ある意味多感なお年頃。
皆と一緒に頑張ることを照れくさく感じたり、「めんどくさい」と斜に構えたり、ふてくされることを格好良く感じたり。
けれど、そんな若さ故の「こじれ」のようなものは、そこには全く感じられませんでした。

若さって、いつの時代もこじれるとやっかいで、その時期特有の悩みや迷いや孤独感がその「こじれ」に絡まると、自分を見失うことも。
でも、その「こじれ」から救ってくれるのは、「あの頃」にしかできない友達なんじゃないかなと、合唱を聞いていて思いました。
もちろんその友人関係で傷ついたり悩んだりもするのだけれど、でも肩書も立場も打算もない今だからこそ築くことのできる人間関係の中から、感じたり学んだり傷いたり悩むことも含めて、その経験を大切にしてほしい。
それこそが「あの頃」の財産になると、思うのです。

確か太宰治は、この年頃の友情のことを「純粋ごっこ」と表現していました。
世間的・社会的には通用しない年頃だから「ごっこ」なんだけど、でも「あの頃」ほど、心から自分以外の人をわかろうとしたりわかったと感じる純粋な年頃はない、だからこそあの年頃の友情は本物だ、という意味だったと思います。
私も、同感です。
「あの頃」の友人って、本当に何者にも代えがたい一生モノの大切な存在。
大事にしてほしいな。

先日、私も大学生の時に仲良くしてくださった先輩と、10数年ぶりに再会しました。
先輩は、ある医大の教授になっていました。
お互い仕事も立場も違うし、なによりも10年以上の歳月があるはずなのに、会った瞬間、昔に戻れるものですね。
先輩は、あの頃と変わらぬ仕事に対する熱い思いを今も持ち続けておられ、私もまた同じ思いでいることを、つまりまるで「セイシュン」のような熱い思いを、お互いに照れることなく存分に語り尽くしました。
その語り口もすっかり10数年前にタイムスリップしてしまったようで、後日、先輩からのメールには「相変わらずのトキコ節が聞けて嬉しかった」とありました。

そんな「相変わらず」な私を知って下さる先輩とは、大切な「あの頃」を共有できる間柄。
お互い「立場」とか「肩書」とか、大人であることもなにも関係なく、装うことなくホンネで思いのたけをぶつけられる存在。
私は先輩の言葉で、今の自分を改めて見直すことができました。
そして、先輩に語った自分の言葉の中に、自分自身が「あの頃」から持ち続けている忘れてはいけない今も変わらぬ自分の大切な思いも、見出すことができた気がします。

そんな「あの頃」の打算なき純粋な思いを持ち続けていられる大人は、どのくらいいるのでしょう。
大人の生きる今の日常や現実は、若さのもたらす「こじれ」とは異なり、そっと忍び寄り気が付けば自分を見失わせる、霧のようなものなのかも。
その霧の中で大人は、迷ったり悩んだりする「若さ」のエネルギーもないままに、だんだんと無気力な日々に飲み込まれて行くのかもしれません。
でも、その霧を晴らしてくれるのは、やはり「あの頃」の友情や、「あの頃」迷った悩んだりした中から見出した自分の思い。
10数年ぶりに再会した先輩と娘たちの合唱は、私にとって大切な「あの頃」を思い出させてくれました。

今、私が振り返る「あの頃」を生きている娘たち。
合唱祭を見ていて、たくさんの生徒さん達ひとりひとりに夢があり理想があり、そして、それぞれの目標に向かって頑張っていることが、伝わってきました。
その純粋で熱い思いに、私は何か力になれることはないかと思ったほどです。
きっと、私ができることは、彼女たちに恥じない私の今を生きること。
今を生きる「あの頃」経験者の先輩として、「あの頃」財産を生かした今をしっかり生きること。
今の日々も迷いも、そのうちいつかまた別の「あの頃」になるのですから。

あなたの思い出の合唱曲は、なんですか?
口ずさんでみると「あの頃」が蘇るかもしれません。
それもまた、合唱曲の持つ力なのでしょう。

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://www.tokikoclinic.com/cgi/mt3/mt-tb.cgi/191

コメント

コメントを投稿

名前:
メールアドレス:
URL:
この情報を保存しますか?
はい いいえ
 

コメント: