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ほろ苦い春に思うこと

はぴトレについて|March 20,2014 8:11 PM

日に日に春めいてきました。梅や木蓮の花も咲き始めましたね。みなさんの元にもさまざまな春が訪れていることでしょう。
わが家は・・・今年は少し残念な春となりました。次女の大学受験の結果がすべて不合格だったのです。

家族みんなに守られ、かわいがられ、おっとりと育った次女。大学進学を希望したものの、特に学びたい分野があるわけでもなく、「友だちもみんな進学するから、私もそうしようかな」ぐらいの気持ちだったようです。今はそれぐらいの気持ちで進学する人のほうが多いようですね。それがよくないとはまったく思いません。
ただ、どうも真剣に受験勉強をしている様子が感じられなくて、内心「大丈夫かな」と心配はしていました。でも彼女ももう18歳。自分の意思で受験を選んだのだから、親に言われて勉強するようではダメだと思い、口を出したくなるのをグッと飲み込んで見守ってきました。
すべて不合格という結果が突きつけられた時、さすがの彼女も「これはまずい」と思ったのでしょう。黙って考え込んでいました。私もショックではありましたが、一方で納得する気持ちもありました。何しろ勉強不足でしたから。

親として悲しくないはずがありません。仲のいいお友達は合格したようで、取り残された娘が不憫で、将来も心配です。でもこんな時、親が取り乱しても仕方ありません。あえて「そりゃ、あれだけ勉強してなかったもん。結果は受け止めないといけないよね」と声をかけました。

夕食後、何気なくテレビをつけると、有名私立中学に生徒たちをばんばん合格させているという塾を取り上げた番組をやっていました。その塾では生徒さんの80%が有名私立中学に合格するそうです。ただ知識を詰め込むのではなく、その子自身のやる気を目覚めさせ、自主的に勉強する方向に導く力をもっている先生なんですね。まるでその日の私たちのためにあるような番組ではないですか!思わず娘と一緒に真剣に見入ってしまいました。

その先生曰く、子どもが勉強しないのはたいてい親のせいだそうです。赤ちゃんの時はみんな一生懸命、成長しようとします。寝返りやおすわり、はいはいにつかまり立ち。できないことに全身でチャレンジする姿は本当にかわいくて健気ですよね。そんな子どもたちがいつの間にかやる気をなくし、どんよりしている。それは親が口やかましく指図したり禁止したりして、子どものやる気をわざわざ削いでいるからだということでした。
その説明にはとても納得がいきました。でも私自身はずっと娘たちの自主性を尊重してきたつもりです。親としての責任は果たしながら、いつも彼女たちの意思を尊重し、「応援するよ!」というスタンスで見守ってきました。なぜ私がそうしてきたかというと、私自身は母から「あなたたちがいたから、私は思い通りに生きられなかった」と物心ついた頃から言われ続け、それが辛かったからです。でもそのことを娘たちに話したことはありませんでした。
今回、次女に初めて話しました。そのうえで「私が何も言わずにあなたたちを見守ってきたことを、自分に関心がないんだ、自分のことなんかどうでもいいんだと受け取っていたなら、私の伝え方が間違ってた。申し訳なかったと思う」「世の中には”こうしなさい”と言われたほうがいいという子もいる。私もそうしたほうがよかったのかな」と話しかけました。

番組の最後に先生がこう言われた時、はっとしました。 「子どもが壁にぶつかった時、それを乗り越えた先に見える景色を見たい、だから乗り越えようと思えるようにするのが大人の役割なんです」
なるほど!と思いました。そしてまた娘に話しかけました。 「これだよね。今、あなたが直面している壁を乗り越えたら、今までとは違う景色が見えるんじゃない?」「私はいつも人生は山登りと同じだなと思ってるの。わざわざしんどい思いをして山を登らなくてもいいじゃないと、ふもとで遊んでいればラクかもしれない。でもちょっとでも高いところに登ったら、見える景色が違うのよ。そうしたら”もっと登ったらどんな景色が見えるだろう”とわくわくするの。”もっともっと、誰も見たことのない景色を見てみたい”と思って、一生懸命登ってるのよ。”ふもとで楽しく暮らしてたらいいわ”と言うならそれまでだけど、それじゃあ人生面白くないんじゃない?」
次女は黙って聞いていました。私の思いがどれだけ伝わったかはわかりません。彼女自身、まだ言葉にできない思いがたくさんあるでしょう。人生は長い。焦ったり自暴自棄になったりせず、これからどんな道に進むのかをしっかり考えてくれたらと思います。「ふもとでのんびり遊んで暮らしたい」と思っていても、それは親が元気に働いているからこそできること。いつかは自立していかなければなりませんから。

次女にはナイショですが、留学中の長女も妹を心配して留学先から電話をかけてきました。「私たちが甘やかしたからだよ!」と私まで叱られちゃいました。でも、ふだんクールな長女が妹を心から大事に思っているのが伝わってきて、実はうれしかったのです。
わが家にとってちょっぴり辛い春になってしまいましたが、私はそれほど悲観していません。どうしても行きたいというわけでもない大学にラッキーで合格しても、いつかもっと大きな壁にぶつかるでしょう。それよりも今、「本当に自分が進みたい道は何か」を考える機会をもてたのは次女にとってもいいことではないかと思うのです。
これからも私はあれこれ口出しはしません。でもそれは関心がないわけでも、「この子はダメね」とあきらめているわけでもありません。むしろ「この子にはこの子の道がある」と信じているからこそ、自分で答えを見つけるのを見守っていきたいのです。

サクラの花は散っても、サクラの木はしっかり根を張って生きています。「がんばれっ」と心のなかでエールを送りながら、私も自分の生き方を通して娘たちに”山登り”の楽しさを伝えていきたいなと思うのでした。

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