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年齢を重ねながら輝き続ける人に

はぴトレについて|November 25,2014 9:17 AM

秋が深まり、あわただしくなってきました。そろそろ恒例の「今年の漢字」も考える時期ですね。
この秋もあちこちに出かけ、たくさんの人に会いましたが、特にうれしかったことを書きたいと思います。
日本を代表するフォークシンガー、ばんばひろふみさんは私よりずっと年上ですが、10年以上前から友人として親しくおつきあいさせていただいています。先日、鳥取県の米子市にいる娘に会いに行く日に、ばんちゃんがまさに米子でコンサートをすることがわかりました。今、彼はブラザーズ5というユニットでも活動しているのですが、そのブラザーズ5のコンサートです。ちなみにメンバーはほかに杉田二郎さん、堀内孝雄さん、高山巌さん、因幡晃さんという、中高年世代の人たちにとっては夢のような顔ぶれです。

うれしい偶然に驚いて連絡をとると、「観に来てよ!」と言ってくれました。開演には間に合わず、後半に入ってから会場に案内していただいたのですが、会場の様子に驚きました。野外コンサートで、当日はあいにくの雨模様だったにも関わらず、たくさんの人が嬉しそうにステージを観ていました。びしょぬれになりながらじっと聴き入っている人もたくさんいました。
みなさん、ばんちゃんたちと同じ時代に青春を過ごしたんだろうなという年頃、ご年配の方々です。
その光景を見ているうちに胸が熱くなりました。ひとつのことを仕事として続けていくのは容易なことではありません。アーティストであり人気商売であればなおさら。
でも、彼はずっと自分の音楽をやり続けてきました。弱音を聞いたことはないけれど、大変なこともあったと思います。でも今、こうしてすばらしい仲間と一緒にユニットを組み、こんなにたくさんの人が聴きに来てくれている。ステージを観るお客さんたちのキラキラした瞳を見ていると、こんなにたくさんの人を幸せにする仕事って素晴らしい!ばんちゃんはお客様を幸せにしていると同時に、ばんちゃん自身もも元気と勇気をお客様からもらっているんだな、ということを感じ、「ばんちゃん、よかったね!」とまるで家族のようにうれしく思わず涙ぐんでしまいました。

話が少し変わりますが、私がよくお洋服を買うお店に、60代の店員さんがいます。彼女は店長も一目置く、「伝説のカリスマ店員」だそうです。私は自分の好みや欲しいものがはっきりしているのでお世話になったことはないのですが、自分に似合うものがわからなかったり迷っていたりするお客さんがいると、ササッと的確に選んであげるというのです。興味深いのがお客さんの反応で、予算より高い買い物になっても「本当によかった!いいものを勧めてくれてありがとう」とみんな大満足で帰っていくとか。ですから定年を過ぎても必要とされ、仕事を続けているのだとか。

私は医師になって20年以上経ちました。若い頃を振り返ると、苦笑したくなることがたくさんあります。たとえば患者さんへの説明。若い頃は、情報をできるだけたくさん伝えるのが医師としての責任だと考えていて、一から十まで説明していました。そして患者さんに「どうされますか」と選択してもらうのですが、患者さんにすれば基礎知識もないのにワーッと説明されて、「さあ選んでください」と言われてもとまどいますよね。
「さあ、これだけ説明したんだから、あとは自分で選んでください」と言っているわけで、責任を果たしているようで実はこちらのほうが無責任と言えるかもしれません。
私の若かりし頃のそんなある時、先輩のドクターが「○○先生は患者さんの話を”ほほう””ふうむ”と聴くだけで何もしゃべらないけど、患者さんたちはみんな○○先生に診てほしいって言うんだよね」と話してくれたことがありました。今思えば、「何でもかんでも患者さんに話せばいいというものじゃないよ」という、私に対するアドバイスだったんですね。

今、私は診察では10分の1ぐらいに口数が減りました。患者さんが何を望んでいるかを聞きながら、肌や血液検査のデータなどを確認して、その人にもっともいいと思われる方法を私がチョイスします。私が「これとこれでいきましょう」と言うと、患者さんは「はい」と安心したように言ってくれます。
これは患者さんが「人任せ」にしているのとは違います。私が医師として責任をもって選んだものを提示しているのを感じ取り、信頼してくれているのだと受け止めています。
だからこそ責任を感じます。もっともっと勉強しなければと思います。

生きる世界は違うけれど、努力や感覚を磨き続けることを怠らず、輝いているばんちゃんの姿に本当に励まされた秋でした!

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