May

25

過去にとらわれるより、「今」を変えることにチャレンジ!

はぴトレについて|May 25,2015 5:58 PM

このブログを読んでくださっているみなさんは十分ご存知だと思いますが、私は物事をポジティブ思考で考えるタイプです。娘たちやスタッフが「どうしよう」と考え込んでいたら、一通り話を聞いて「頭で考えててもしょうがないやん」「あかんかったらあかんかったで、その時に考えたらええやん」とズバズバ言い、最後は「とりあえずやってみないとわかれへんやん!」と言い切ります。遠慮会釈のない関西弁です(笑)。
娘たちには「ママが言うほど簡単な話じゃない!」と怒られたりします。もしかしたらスタッフも「トキコ先生は簡単に言うけど・・」と思っているかもしれません。私も最初から今のような性格ではありませんでした。むしろ何かにつけて深く考え込んでは落ち込んでいました。何しろ幼稚園の頃から不眠症で、それなのに一人で寝かされていて、夜が白々と明けていくのを布団のなかから眺めていたというのが子ども時代の思い出です。そんな私がなぜ今のような性格になったのか。

ひとつはパートナーとの出会いです。超前向きな彼は、出会った時に私の悩みをひとつひとつ聞いてくれ、「おまえがそう感じるのは間違っていない」「落ち込んでるヒマがあったら行動しろ」と背中をバーンと押してくれました。そのおかげで後悔せずにすんだことがいくつもあります。

もうひとつは患者さんとの出会いでした。ニキビに悩んできた私にとって、ひどいニキビやアトピーに悩む患者さんの姿は他人事ではありませんでした。「少しでもよくしてあげたい」とクリニックで刺激や副作用の少ない手作り化粧品をつくったり、「心理的なものが影響しているのかも」と心理学を学んだりしました。
希望する患者さんにカウンセリングをしたこともありました。あくまで皮膚の状態を改善するためで、それほど深いものではありませんが、患者さんが抱える悩みを聞いていると思うことがいろいろありました。
過去の失敗や辛い体験をずっと引きずっている人。親から十分に愛されなかったと、親を恨んでいる人。「自分は何の能力もない」と自分で自分を否定している人。内容は違っても、過去や自分自身を否定し、受け入れられずにいるという共通点がありました。
そして「スッキリしました」と晴れやかな顔で帰って行っても、次に会う時はまた暗い顔をしています。さらに過去を振り返り、掘り返してまた新しい「辛い記憶」を見つけてくるのです。


彼女たちの話を聞いていると考え方のなんらかのこだわりを感じました。私たちはふだん、自分の置かれている状況を常に主観的に判断しています。「この人たちと一緒にいると楽しいな」「私はここでこうして過ごすのが好きだなあ」というように。
けれど強いストレスを受けていたり、うつ状態に陥ったりすることで物のとらえ方にゆがみや独特のこだわりが生じることがあります。誰も何も言っていないのに「みんなは私といても楽しそうじゃない」「ここは私の居場所じゃない」と感じてしまうのです。こうなると精神的にどんどんつらくなります。
そこで「認知行動療法」や「システムズアプローチ」などの心理療法を取り入れたこともありました。自動的に悲観してしまう思考のひとつひとつを「なぜそう思うのか」を考え、実は根拠などないことを確認し、認知の歪みを修正します。自分の考え方の偏りに気付き、受け止め方や行動を自覚的に変えていくのです。
また、家族や友人、会社の人など周囲の環境の中でのかかわり方の中で、困ったことを解決するために未来に向かってものを考えていくのです。

けれどだんだんと私は心理療法を熱心にはしなくなりました。
自分のしんどさについて考えれば考えるほど、かえって前に進めないという人がいます。今の症状が良くならない限り、それに付随するしんどさが解決できないと思ってしまうのです。
症状の改善には時間がかかるから、治る前にできることをしましょうというお勧めをしてきたのですが、やはり、そううまく考えられないのが人間です。結局、症状をできるだけ早く改善させることこそが患者さんの幸せにつながるという、当たり前のことに行きついてしまいました。
今もアトピーやニキビに悩んで来られる患者さんたちがいます。私たちは症状をしっかり見て、とにかくできるだけ早くよくなったと思える状態に持って行ける治療を考え、提案します。症状が収まるにつれて患者さんの表情が明るく、自信に満ちていくのが何よりうれしいです。
まず行動、そうすればあとからいろんな問題が自然と解決していくものなのですね。
トキコクリニックに来てくれたことそのものが、患者さんにとっては新しい未来に向かっての新しい行動です。それにこたえていけるように頑張りたい、そう思っています。

過去につらいことや失敗した経験があったとしても、それが今うまくいかないことの原因とは限りません。無関係ではないとしても、今の状況は今の自分が変えられる。そう考えたほうがずっとラクではないでしょうか。
今「また失敗するのがイヤだから」「どうせ自分はダメだから」と閉じこもってしまえば、将来また「あの時、何もできなかった」と過去を悔やむことになるのではないでしょうか。そんなことを繰り返していたら、何より自分自身がかわいそうです。
私は患者さんはもちろん、スタッフたちや娘たちに対しても、「今」をよりよくするために一緒にがんばりたいと思っています。過去を変えることはできなくても、今を変えることはいくらでもできます。その力はすべての人がもっているのです。読者のみなさんにもぜひ「今」を変えることにチャレンジしてほしいなと思います。

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://www.tokikoclinic.com/cgi/mt3/mt-tb.cgi/277

コメント

コメントを投稿

名前:
メールアドレス:
URL:
この情報を保存しますか?
はい いいえ
 

コメント: