この記事の監修者
- トキコクリニック 総院長
- 小村 十樹子
(こむら ときこ)
美容治療は勿論のこと、病気にならないための治療、がん予防、アンチエイジング治療に熱を燃やして、治療を展開中。
美容コラム
Beauty column.
ヒアルロン酸
目元
目次
ヒアルロン酸デビューが涙袋、という方が当院にも多くいらっしゃいます。
初めてのヒアルロン酸注入で失敗したくないですよね。
注入後はばれるの?馴染むまでどれくらいかかるのかな?
ダウンタイムはある?すぐになくなるって言うけど・・・
ご心配なことはたくさんあると思います。
本日は、涙袋のヒアルロン酸注入のよくあるガッカリ例と、その理由と対策をご説明します。
初めてのヒアルロン酸注入デビューとして、涙袋を選ばれる方が非常に多いです。
また、手軽さや変化を感じやすいことから人気治療なので、必然的に気に入らなかったと感じる方の感想をご覧になることも多いかもしれません。
実際、涙袋をよそのクリニックで入れたけど、気にいらないから溶かしたいとか、修正してほしいという問い合わせが、結構多いです。
当院にお問い合わせいただく他院修正のナンバー1が涙袋です。
それでは、他院で涙袋のヒアルロン酸注入をして気に入らないと感じるのは(もちろんトキコクリニックで注入した方が気に入らないと他院に相談に行っている場合もあると思いますが)、どういうケースなのでしょうか。
涙袋のデメリットとでもいいましょうか。
それは、大抵この4つのパターンであることが多いです。
①注入したのに膨らんでいない。
②涙袋というより目の下が腫れた感じになってしまった。
③形が希望通りではない。
④左右差が激しい。
せっかく勇気を出して涙袋にヒアルロン酸を注入したのに、失敗してしまったら悲しいですよね。
では何故、上の4つのようなデメリットが発生するのか。
最大の理由を最初に申し上げますね。
お客様が理想の涙袋を、医師が完璧に察して作り上げる、ということは残念ながら不可能だからです。
形が気に入らないとおっしゃるケースは、たいていデザインのすり合わせをしていないから起きると思います。
もちろん、これだけが理由ではありません。
その他の理由も1つずつご説明いたします。
涙袋のヒアルロン酸注入を失敗しないために一番大切なことは、医師と患者さんの間でとにかく細かくやりすぎでも良いのでイメージのすり合わせを行うことです。
もちろん注入の腕や知識ということもありますが、このイメージのすり合わせをしっかり行う医師が、涙袋のヒアルロン酸注入が上手い医師と言えるでしょう。
涙袋のヒアルロン酸注入を行うにあたって、皆さん理想の完成形を想像してこられると思います。
もしくは、こんな風になりたいという女優、俳優さんやインスタグラマーの方の写真をご覧になったかもしれません。
こうなりたい、こんな風になりたい、と希望するイメージを持っておられますよね。
少し話は逸れますが、同じことを、二重の手術をする先生からよく聞きます。
二重のイメージもご本人とよくすり合わせないと、こんなのを希望してたんじゃない!ってことになるらしいです。
お任せしますとか、自然な感じで、というリクエストはリスキーです。
はっきり言って伝わってないです。
平行なラインを作るのか、たれ目っぽく作るのか、半月状に作るのか、目頭はどうするのか、目尻のところまで入れるのか入れないのか。
似合う似合わないもありますし、ご本人のイメージも大切にしなければなりません。
ドクターとよく相談することをおすすめします。
涙袋の場合、私は必ず、こんなのがいいなと思っている写真はありますか?と患者さんに聞きます。
すると100%の方が、実は・・・とインスタグラムなどに載っている誰かの写真を見せてくれるのです。
「自然な感じがいいんです」と仰る患者さんに、イメージの写真はありますか?と伺うと、かなりボリュームのある涙袋の写真を見せてくれたりすることもよくあります。
その場合、医師が考える「自然な感じ」に注入してしまうと、本当に控えめな印象になり、注入したのに膨らんでいない?と感じてしまったり、満足してもらえないなと考えます。
「わからないのでお任せします」と仰る方も多くいらっしゃるのですが、例えばこんな風に、と言って写真を必ず見せてくださるのが、涙袋のヒアルロン酸注入の特徴といえます。
できるだけご本人のご希望に沿うように注入したいと思っていますが、特に初めて注入される場合、ご本人も自分がどんなのが似合うのかわかっていないわけで、まずは少し注入した状態を鏡で見ていただいて、ここをあともう少し、とか、いや、もうこれでいいです、とか、相談しながら仕上げるようにしています。
細かいカウンセリングとイメージの共有が涙袋のヒアルロン酸注入で最も重要であるとご説明いたしましたが、もちろんそれだけが原因とは限りません。
それでは、ほかにどんな理由があるのでしょうか。
よくあるご相談として、涙袋にヒアルロン酸を注入したら左右差ができてしまった、というものがあります。
その理由は、左右で眼輪筋の強さが違うからなのです。
涙袋というのは、目を閉じる筋肉である下まぶたの眼輪筋という筋肉で、それが発達していると涙袋はくっきりとしますし、筋肉が薄いと涙袋は目立ちません。
笑うと眼輪筋がぎゅっと収縮するので、涙袋が出てくることが多いです。
笑わなくても涙袋がしっかりある人は、もともと眼輪筋が発達して厚みがあるのだと思います。
笑っても涙袋が出ない人はかなり眼輪筋が薄く、また筋力が弱いのかもしれません。
注入の際には、笑ってもらって眼輪筋の厚みや強さを確認します。
笑っていないときの状態も確認します。
それによって左右の違いを観察して、注入して盛り上がりやすい方と、盛り上がりにくい方があることを患者さんに説明をします。
もちろん、筋肉の強さに左右差があるからと言って涙袋の大きさがバラバラでもいいというわけではないですよね。
左右差が出ないようにするのは実はとても難しく、注入する深さや量を調整してできるだけ左右をそろえるようにしますが、完璧には難しいことをあらかじめご説明しています。
また、左右同じにするにしても、笑っていないときの状態で同じにするのか、笑ったときに同じにするのかも決めなくてはなりません。
笑っていない時のもともとの眼輪筋の厚みと、笑った時の筋肉の盛り上がり、それそれが違いますので、笑っていてもそうでない時も完璧に左右対称というのは難しいのです。
たいていの方は笑っていない状態で左右が同じになっているのがいいと仰いますが、
笑った時にあまりに左右差が出るのもよくないので、そのあたりはちょうどよく見えるよう、患者さんと細かく相談しながら少しずつ調整をします。
涙袋のヒアルロン酸を注入した後すぐなくなったり、あまり変わらないと感じられることもよくあります。
医師が注入する際に、その方の涙袋を拝見して、膨らみにくいだろうと感じるケースがあります。
あ、膨らみにくいな、とあらかじめわかることが多いので、その場合は注入前に患者さんに説明をしてご納得いただいた場合のみ行います。
それでもできるだけ立ち上がるようにアイラインギリギリに注入したり、注入する深さを調整したりして、なんとか膨らませるように頑張っています。
逆に、眼輪筋が厚めでもともと涙袋が大きい人や縦の幅が広めの人は、気を付けないとナメクジみたいになってしまうので、注入の仕方に工夫が必要です。
目の下に目袋といって脂肪のふくらみがある人は、涙袋をうっかり入れると目袋とつながってしまって目の下がむくんだような、腫れたような感じになってしまいますので、注意が必要ですね。
注入できないわけではないですが、細い涙袋にするとかデザインを考えないといけません。
また、年配の方が、目の下の小じわを解消するために涙袋を入れたいと希望されることがあるのですが、たるみがある場合、涙袋を作るとその下にまたしわができてしまうので、おすすめしません。
涙袋がほしいなら注入しますが、しわたるみの改善のためならやめておいたほうがいいです。
余談ですが、涙袋はトキコクリニックの場合、ガルデルマ社のレスチレンヴィタールか、アラガン社のボルベラという製剤を使っていて、柔らかすぎず硬すぎず、持ちがよい上に形を整えやすい製剤です。
細かいデザインをするには、この製剤はその都度指で成形しやすく気に入っています。
私は35ゲージという髪の毛ほどの細さの極細針を使って注入しますが、カニューレを使うドクターもいます。
少しずつ入れて確認してもらいながらまた入れる方が満足してもらいやすいので、私は針で細かく入れる派ですが、カニューレですーっと一気に入れるやり方が上手なドクターもいるので、どちらが正しいというわけではありません。
内出血は起きるときと起きないときがあり、できるだけ起きないように頑張りますが、他の場所より起きる確率は上がるので、コンシーラーなどで1週間ぐらい隠すことを覚悟して受けていただくようにしています。
さて、他院で作った涙袋をどう修正するかというと、ヒアルロニダーゼを使って気に入らない部分を少し溶かします。
全部溶かす必要はなく部分的に溶かして、1週間後ぐらいに再注入するようにしたら、ヒアルロン酸の必要量が少なくて済みますね。
中には理想的な溶け方をして、再注入が必要なくなる方もいらっしゃいますが、それは保証の限りではありません(笑)。
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