シミといってもたくさんの種類がありますが、一般的にシミと呼ばれているのは「老人性色素斑」と言われるものです。名前の通り加齢とともに出てくるシミですが、20代の方でもできます。治療にはレーザーを照射します。

そばかすと呼ばれる細かいシミにはダウンタイムが少ないIPL(フォトフェイシャル)という光治療をおすすめすることが多いですが、シミのレーザーを選ばれる方もいらっしゃいます。IPLと違ってシミは1回の治療で薄くなりますが、ダウンタイムが問題になります。

シミの中で老人性疣贅や脂漏性角化症と呼ばれるシミも、場合によってはレーザー治療がおすすめです。

シミ治療の目標は、シミのなかった元の皮膚の色に戻すことだと思いますが、レーザー照射後、元の皮膚の色に戻るまでには短期的なダウンタイムと長期的なダウンタイムがあります。ここではレーザー照射後のダウンタイムや過ごし方、アフターケアについてお話しします。

短期的なダウンタイム

ダウンタイムはシミ取りのレーザー照射後1週間~10日です。
照射直後は赤みが出て、数時間後までひりひりと痛みがでることもあります。保冷剤などで冷やし過ぎに注意しながら冷やすと痛みが和らぎます。

シミ取りのレーザー後、当日からお風呂OK、お化粧OKです。当院では基本的には保護テープを貼っていただいております。保護テープを貼っている場合はその上からお化粧が可能です。

レーザー照射後、反応したシミは元々あったシミの色より濃い色調になってきます。かさぶたと呼んでいますが、保護テープから濃い色調が透けて見えると思います。1週間後に保護テープを取っていただきますが、その時にかさぶたが一緒に剥がれることが多いです。かさぶたが残っているときは無理に剥がさずそのままにしておくと自然剥がれます。かさぶたの下に新しい皮膚ができると自然に剥がれますので絶対に無理に剥がさないようにしてください。
かさぶたが剥がれた時、薄ピンク~元の肌の色になってシミが取れていることが多いと思います。
めでたしめでたし!なのですが、そうでない場合も…。後ほど詳しく説明します。

シミ取りレーザー後の保護テープ

「レーザー後には保護テープを貼らないとダメですか」とよく質問を受けますが、貼ることをおすすめしています。施術箇所をうっかり触ってしまったり、マスクに擦れたりなどの刺激から肌を守ることができますし、わずかですが紫外線からも守ってくれます。レーザー照射部分に刺激を与えると、炎症後色素沈着が出やすくなります。仕事などでどうしても貼れない方は、リスクを理解していただいた上で貼らずに過ごしていただくことも可能ですので、ご相談くださいね。

シミ取りのレーザー後「炎症後色素沈着」について

レーザー照射後、1週間くらい経つと色が濃くなってかさぶたができ、かさぶたがはがれるとシミが取れて、薄ピンク~元の皮膚の色になっている方が多いです。しかしその後、だんだんと淡紅色~淡褐色の色素沈着が出てくる方がおられます。これを炎症後色素沈着とよんでいます。

炎症後色素沈着はレーザー後1か月ごろから出始めます。炎症後色素沈着が出てきた場合、消失するまで3か月~半年くらい続きます。長い方は1年くらいかかる方もいらっしゃいます。肝斑があるかどうか、日ごろの過ごし方などにも左右されます。美容皮膚学会の論文では、1か月後に43~47%の方に炎症後色素沈着が発生していたという報告がありました。炎症後色素沈着が残っている期間は長期的なダウンタイムといえます。

レーザー後の効果的な過ごし方は?

レーザーの後、いったんは綺麗になったと思われたものの、色素沈着が発生する機序はよくわかっていません。レーザーは皮膚を火傷させていると考えると、かさぶたが取れた後、火傷の跡がのこっているというのがイメージしやすいでしょうか。

炎症後色素沈着を予防するために、かさぶたが剥がれた後~1か月は特に紫外線や物理的な刺激を避けることを徹底しましょう。かさぶたを無理に剝がさないことがまず大切です。かさぶたの下に新しい皮膚ができると自然に剥がれます。

レーザー照射部分がかゆくなることもありますが、掻かないようにしてクリニックにご相談ください。紫外線対策はしっかりと!紫外線により炎症後色素沈着が強くでてしまい、軽快しにくくなります。日頃から日焼け止めを使用するように心掛けてください。日焼け止めの外用は2~3時間毎にこまめにできればより良いと思います。飲む日焼け止めもあります。

炎症後色素沈着がでなかった場合でも、シミがとれた後の肌は非常にデリケートです。同様に刺激や紫外線対策をやっていただくことで新たなシミの予防にもなります。

炎症後色素沈着が残ったときは

炎症後色素沈着の予防やより早く軽快させるために、ハイドロキノンクリームやトレチノインクリームを外用したり、ビタミンCやトラネキサム酸、抗酸化力のあるサプリメントなどを内服していただいております。またクリニックでケミカルピーリングしたり、美白効果のある成分をイオン導入や超音波導入するとより早く軽快します。

Dery導入の様子

場合によっては再レーザーの可能性も

炎症後色素沈着だと思っていたけれど一向によくならない時には、再レーザーが必要な場合があります。残っている茶褐色の色素が、炎症後色素沈着なのか再レーザーが必要なシミなのかを判断し、シミが残っているのであれば再レーザーをおすすめしています。気になる場合は受診して医師にみてもらいましょう。

まとめ

シミのレーザー後かさぶたができ、1週間で剥がれます。
その後1か月くらいで炎症後色素沈着ができることがあるので、物理的な刺激を避けて紫外線対策をしましょう。
炎症後色素沈着の予防のために、この期間のケアが大切です。
ハイドロキノンクリームやトレチノインクリームの外用やその他適切な内服は炎症後色素沈着の予防にもなり、早く炎症後色素沈着が軽快することがわかっています。クリニックで色素沈着の状態を見て処方しますので、レーザー照射後も経過を見せていただきます。

シミの治療はレーザーですが、操縦しているのは医師である術者です。すべての患者様に同じマシンで同じ出力、同じ施術を行っているわけではありません。
術者は患者さまの肌質やトーン(肌の色調)、シミの色目、日頃肌が紫外線にさらされている環境かなどを伺い、レーザー時期や照射出力を決定し、レーザー照射時も反応を見ながら出力と照射方法を調節しています。炎症後色素沈着をできるだけ発生させないよう適切な判断と技量をもって施術し、できてしまった場合の対応も大切です。

この記事の監修医師

朴 順華

大阪医科大学卒業後、大阪市立総合医療センター皮膚科をはじめ、大手総合病院皮膚科に勤務を経て、トキコクリニック勤務。4人の子供の母でもあり、話しやすく、親しみがあり、患者さまからの信頼も厚い。20年以上の勤務実績から経験も豊富で、漢方治療から、レーザー、ヒアルロン酸、ボトックス注射まで、オールラウンドにクオリティの高い治療を行う、優秀で器用なドクターである。

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