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シミとホクロの違いや見分けは?それぞれの治療方法について皮膚科医が解説!
シミ
シミやホクロが顔にあると、自然と周りからの視線を集めてしまうものです。ファンデーションやコンシーラーで隠すにも限界があり、見た目にコンプレックスを持ってしまう人も少なくありません。
実は、シミやホクロには種類があり、正確に見分けをしたうえで治療していくことが肝心だとご存知でしょうか。
万が一間違った治療をしてしまうと、却ってシミやホクロが濃くなってしまうこともあるため、注意しておきましょう。
今回は、シミやホクロの違い・見分け方について解説します。
それぞれの治療法についても専門医が紹介しますので、参考にしてみてください。
シミとホクロの種類と特徴について
まずは、シミ・ホクロの種類と、それぞれの特徴について解説しましょう。
タイプごとの違いが分かれば、治療方法を決めるきっかけとして有効です。
【シミの種類は4つ】に分けられる
4つのシミの種類について詳しくみていきましょう。
・肝斑
肝斑は、顔に左右対称でできることが多く、肌の内側からぼんやり染み出たようなはっきりしない輪郭であることが多いです。
頬骨・額・鼻下など意外に目立つ部分にできやすく、紫外線・ホルモンバランス・摩擦・乾燥により生じることが多いです。
刺激を与えることで却って肝斑を濃くしてしまう可能性があるため、レーザーや光治療は使わない方がよいでしょう。
・老人性色素斑
老人性色素斑は、一般的に最もイメージされるシミに近い形状です。
年齢と共に現れる確率が高く、更に年齢を重ねたり放置したりすることによって、年々濃くなっていくという特徴があります。
なるべくシミが目立たないうちに完全除去することが理想であり、再発防止の面でも効果的です。
・そばかす(雀卵斑)
そばかすは、子どもの頃から遺伝的に持っている人が多く、年齢の経過とともに消えるケースもあります。
卵のように見えることから、雀卵斑と呼ばれることもあります。
とはいえ、顔の中心や鼻筋にしっかり形が表れてしまうため、若いうちからコンプレックスを持ってしまう人も少なくありません。
年齢を重ねれば必ず消えるとも断言できず、逆に紫外線の刺激などで濃くなったり増えることも多いので、早いうちに治療を開始されることが好ましいです。
・ADM(後天性真皮メラノサイトーシス、両側性遅発性太田母斑様色素斑)
ADMは、後天性真皮メラノサイトーシスもしくは両側性遅発性太田母斑様色素斑とも呼ばれます。
老人性色素斑のようなはっきりとしたシミと異なり、境界がぼんやりしていることが多いです。
両側の頬に左右対称にできることも多いため、一見肝斑と非常によく似ていますが、治療法が全く異なる点に注意が必要です。
ADMにはADM用の治療をおこない、却ってシミを濃くすることのないよう対策しておく必要があります。
【ホクロの種類は2つ】に分けられる
2つのホクロの種類について詳しくみていきましょう。
・単純黒子
皮膚の浅い部分にメラノサイトという細胞ができることで発生するホクロです。
完全な黒色から薄目の茶色まで幅広く、特に色が薄い場合、シミとの見分けが難しい場合があります。
・色素性母斑
多くのホクロは、色素斑母斑です。生まれつきのホクロであれば、まず色素斑母斑で間違いないでしょう。
正式には黒褐色のアザであり、一般的にイメージする小さなホクロから、いぼのような大きなものまで形状はさまざまです。
顔にあると目立ちやすく、サイズや色によってはメイクで隠すことが困難です。
シミとホクロの違いと見分けは?
シミやホクロのタイプを見分けるには、下記の要素から診断します。
色調の濃さ
完全な黒色か、少し茶色がかった薄目の色であるかを診察します。
また、シミの場合は境界線の曖昧さについても丁寧に診察し、肝斑かADMかなどを見極めます。
シミやホクロの大きさと範囲
大きさや範囲によって、どのタイプのシミ・ホクロであるかの判断が可能です。
また、気づいた当初から大きさが変わっているかなど、ヒアリングの結果も含めることがあります。
シミやホクロができたタイミング
思春期にできた、妊娠とともにできたなど、背景となるタイミングを調べます。
ホルモンバランスの影響でシミができることも多く、決して見逃せない項目です。
平らであるか、凸凹であるか
基本的に、シミは平らであることが多いです。膨らんでいるようなシミの場合、脂漏性角化症が謳われます。
また、ホクロは大きさや形状によって治療法が異なるため、より詳しく診察することが多いです。
シミ取り施術
肝斑
肝斑は刺激によるダメージに弱く、よくシミ治療に使われるレーザーや光治療と相性が悪いです。
かえってメラノサイトが活性化され、メラニン色素が産出されてシミが濃くなってしまうこともあり、専門医による正確な診断がカギとなります。
そのため、ビタミンCやトラネキサム酸を内風したり、ハイドロキノン・トレチノイン・ビタミンCを外用したりすることがおすすめです。
併せて、肌のターンオーバー機能を活性化できるよう、美白成分の浸透やピーリングも効果的です。
最近の主流はPOTENZA(ポテンツァ)美白です。最新の肝斑治療と呼ばれており、メラニン色素を生成する原因であるメラノサイトそのものにアプローチし、根本原因を除去します。
老人性色素斑
老人性色素斑は、紫外線による影響が大きいためフォトフェイシャルやルメッカなど、光治療もしくはレーザー治療が適しています。
老人性色素斑がピンポイントで発生している場合は、狙いを定めやすいレーザー治療を選択するのがよいでしょう。
反対に、広範囲に渡って老人性色素斑が目立っている場合は、IPL治療からのスタートがおすすめです。
日頃から紫外線をカットするなど、予防対策も効果的です。
そばかす(雀卵斑)
そばかすは、老人性色素斑と同じくフォトフェイシャルやルメッカなど、光治療もしくはレーザー治療が適しています。
内服薬や塗り薬での効果が一時的であるシミとして知られており、根本的な治療をするには、光治療もしくはレーザー治療が不可欠です。
遺伝が原因であることが多いため、再発のリスクもあります。除去を徹底してから、美白や紫外線対策をするのがよいでしょう。
ADM
ADMは、他のシミより深い真皮層に存在しているシミであるため、Qスイッチレザー治療しか効果が発揮されません。
複数回根気よくレーザー照射を続けることが多く、場合によってはより効果をあげるためにハイドロキノンなどの美白成分やピーリングを加えることもあります。
肝斑と非常に似ているシミではありますが、肝斑にレーザーを当ててしまうことはNGです。
無理に自己判断せず、プロの診断に任せてしまうのが確実です。
ホクロ除去施術
小さな黒い点数のような、病気検査が必要ないホクロであれば、CO2(炭酸ガス)レーザー治療をおこないます。
反対に、大きくて凸凹のあるホクロの場合は、美容外科の範囲で切除してしまうのがよいでしょう。その方が、却って治療跡を目立たなくすることが可能です。
また、メラニン色素のみに反応させられるQスイッチレザーを使うこともあります。
ホクロの大きさ・場所・範囲・病理検査の必要性に応じて治療方法が確立するため、相談しながら決めていきましょう。
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まとめ
シミやホクロは、安易に自己判断せずプロの診断を仰ぐことが大切です。
一見間違いないように思える判断であっても、治療法を誤ってしまった場合、却ってシミやホクロを濃くすることにつながりかねません。
色素沈着を起こしたり、火傷をして跡が目立ったりした場合、治療前よりも目立ってしまうこともあるでしょう。
後悔のない治療をするためには、シミ・ホクロ治療実績の高いクリニックに相談することが大切です。
熟練した技術のある医師がいるかも含めて比較し、焦ることなくクリニック選びをしていきましょう。