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ニキビの炎症を抑えるには?
ニキビ
目次
ニキビができてしまったときは、可能な限り炎症を抑えながら治療していくことが大切です。
汚れた手で触ったり摩擦・乾燥・刺激を与えてしまったりすると、却って炎症が酷くなる可能性もあるため注意しましょう。
痛み・赤み・腫れが生じて見た目にも精神的にもつらくなるだけでなく、跡が残るなど後悔することになりかねません。
今回は、ニキビの炎症を抑える方法について解説します。
痛い炎症を抑えてなるべくきれいにニキビを治したい方は、本記事を参考にしてみましょう。
ニキビの炎症はなぜ起こるのか
そもそも、ニキビの炎症がなぜ起きてしまうのか知っておきましょう。
ニキビ自体がすでに皮膚の炎症が起きてしまっている状態ではありますが、そこから「更にひどくなるニキビ」と「自然に寛解するニキビ」とが存在します。
下記ではニキビができるメカニズムから解説していくため、まずは仕組みの理解にお役立てください。
ニキビを生みやすい肌状態になる
ニキビができる原因は複数ありますが、ニキビができやすい肌状態というものは確実に存在します。
例えば、皮脂分泌力が強すぎる体質の場合、ニキビができやすくなるでしょう。
肌を守るためには皮膚表面をコーティングする皮脂が不可欠ですが、分泌されすぎてしまうと毛穴の奥からどんどん油分が出てしまいます。
また、砂ぼこりや汚れが付着したままになっている肌や、洗顔不足で老廃物が蓄積してしまっている肌も危険です。
肌のターンオーバーサイクルが乱れているとそもそも老廃物を排出する機能そのものが失われてしまうため、こちらも併せて注意した方がよいでしょう。
こうした「ニキビの原因」は一時的なものではなく、体質・肌質・睡眠不足や栄養バランスの乱れなど生活習慣が大いに関係していることも知っておきたいポイントです。
毛穴が詰まる
肌のコンディションが乱れた場合、毛穴が詰まりやすくなります。
過剰に分泌される皮脂が毛穴のなかで渋滞を起こしたり、汚れや細菌が肌表面から毛穴に浸透するなど、さまざまな要因が考えられます。
また、ターンオーバーサイクルが乱れて老廃物を十分に押し出す力が弱いことも、よくある毛穴詰まりの原因として知られています。
毛穴の出口部分の各層が剥がれず厚くなり、さらにニキビができやすくなってしまうのです。
アクネ菌が増殖する
肌の常在菌であるアクネ菌が、本来必要な量を超えてどんどん増殖するフェーズに入ります。
本来であれば過剰にアクネ菌が分泌されても毛穴を通して肌表面に排出されていきますが、毛穴が詰まっているとアクネ菌も詰まってしまいます。
増殖したアクネ菌はニキビの炎症を引き起こし、赤く腫れて痛むニキビになってしまうのです。
さらに炎症が進行する
アクネ菌の増殖により発生した炎症が適切に処置されない場合、炎症はどんどん進行します。
少し炎症が起きている段階で止められれば、白ニキビや黒ニキビに代表される「コメド(面ぽう)」状態で完治するでしょう。
赤みや痛みを伴うこともなく、比較的早期の段階できれいに治すことが可能です。
しかし、さらに炎症が悪化して化膿すると、毛穴の奥にある毛包の壁が壊されてしまいます。
毛穴だけでなく肌の奥にまで炎症が広がるため赤ニキビになりやすく、痛くなることも多くなるのです。
さらに化膿が進むと肌の内側で膿が破裂した黄ニキビとなり、周辺の皮膚にまで広がります。
最終的に最も症状の重い紫ニキビにまで進行すると炎症状態も強く、痛みを伴うでしょう。
毛穴口の周辺にまで炎症が広がっているため完治後も跡になることが多く、コンプレックスの原因となってしまいます。
「ニキビは誰もが経験することだから」と甘くみず医療機関を受診することが推奨します。
無理なセルフケアも炎症の原因に!
アクネ菌の増殖やもともとの肌状態だけでなく、無理なセルフケアが炎症の原因となっているケースも多いため注意しておきましょう。
特に多いのが、自分でニキビを潰してしまうケースです。
ニキビの膿には細菌が多く含まれており、除去することで治りを早めることも可能ですが、除去する方法を誤ってしまうと悪化させる可能性もあります。指で押し出すようにして処置してしまうと膿の袋が破裂しやすく、上手に毛穴から出てくるとは限りません。
一部の膿だけ出してほとんどの膿が皮膚の下に残ってしまったり、うまくできず何度も押しつぶしたりして却って炎症を強めることが多いのです。
また、一見きれいに見えても汚れの付着した手で触ったり、必要以上に大きな穴を皮膚にあけてしまったり、予想外のトラブルが生じることもあるでしょう。
ニキビ膿の除去は、自分で行わず、皮膚科への受診を推奨します。
皮膚科でのニキビ治療には専用の機材を使用します。
同じく膿を外に出すための「面ぽう圧出」でも、滅菌された医療器具を使って針のように小さな必要最小限の穴から確実に膿を出し切ります。
肌に与えるダメージも少なく、最短距離で炎症を抑える方法だと言えるでしょう。
ニキビができてしまったときはつい手っ取り早く自分で処置してしまおうと考えがちですが、皮膚科に相談しましょう。
ニキビの炎症を抑える方法
今すぐ皮膚科に行けないときは、ニキビの炎症を可能な限り抑えておくことがポイントです。
「炎症が進行しきったニキビ」と、「炎症を抑えられているニキビ」とでは治癒までの期間に差が生まれます。
下記では、ニキビの炎症を抑える方法を紹介します。
患部を冷やす
ニキビができた部分を冷やし、炎症を落ち着ける方法です。
氷や保冷剤を薄手のタオルに包み、ニキビの部分に20~30秒そっと当てては離すのを繰り返しましょう。
何分もずっと冷やしたままにしておくと凍傷になったりタオルによる摩擦の刺激で却って炎症を起こしたりする可能性があるため、ほどほどで構いません。
ニキビの周辺が冷えると痛みを知覚しづらくなるため、痛み緩和対策としても有効です。
ただし、冷えた部屋に長時間体を置いたり体全体を冷やしたりするのはNGです。
体が冷えて血液の循環が悪くなると、本来皮膚に供給されるはうであった栄養分が行き渡らなくなります。
肌から出た老廃物も排出されづらくなり、ターンオーバーが乱れてしまうでしょう。
あくまでも冷やすのはニキビのある場所だけととらえ、体全体は冷やさないようにすることがポイントです。
塗り薬・飲み薬を処方してもらう
皮膚科に相談し、塗り薬・飲み薬を処方してもらう方法です。
たとえば抗生剤として有名なアクアチム、ダラシン、ゼビアックスは昔からよく使われているニキビ治療薬です。
飲み薬であるルリッド(ロキシスロマイシン)、ビブラマイシン、ミノマイシンなども効果が表れやすいでしょう。
抗炎症成分が含まれている薬であれば炎症を抑え悪化を防ぐ効果が高く、イブプロフェンピコノールやグリチルリチン酸ニカリウムなどが配合されていることが多いです。
また、殺菌作用のある薬を処方してもらう方法もあります。
レゾルシン、イソプロピルメチルフェノール、ベンゼトニウム塩化物、エタノールなどが含まれている薬であればアクネ菌や雑菌の繁殖を抑えられます。
他にも、市販薬を活用する・漢方を処方してもらうのもよいでしょう。
どんな薬を使うかは医師または薬剤師と相談しながら決定していくとより確実です。
※抗生剤は炎症を抑えるには有効ですが、長期間使用するクスリではありません。抗生剤を止めるとニキビが再発してしまう場合は、根本的な改善が必要です。美容皮膚科に相談することをおすすめします。
スキンケアを見直す
正しいスキンケア洗顔を意識し、理想的な肌状態をキープすることも大切です。
まずは、肌がいつも清潔になるよう余分なアクネ菌や雑菌を落としていきましょう。
過剰に分泌されてしまった皮脂や毛穴の詰まりが取れると肌の風通しがよくなり、老廃物や不要なものが毛穴を通して排出されやすくなります。
基本的には、スキンケアのときに髪が肌につかないようヘアピンやヘアバンドを使うのがおすすめです。
コスメの濃さに合ったクレンジングを使うことや、熱いお湯ではなくぬるま湯でダメージレスに洗い上げることも意識してみましょう。
洗顔フォームは弾力のある細かい泡が立つまでしっかり泡立て、こすりすぎないよう「泡で洗う」イメージをもって洗い上げます。
ニキビのある箇所は刺激に敏感になっているため、直接手で触らないようにすることも大切です。
また、クレンジング・洗顔後は入念に保湿をします。
ニキビ自体が乾燥に弱いわけではありませんが、肌が乾燥することでターンオーバーが乱れたり皮脂の分泌がさらに過剰になったりする恐れがあります。
肌ストレス予防のためにも保湿を徹底し、季節感に合わせたアイテムを使用していきましょう。
食べ物を変える
栄養バランスの偏りやオイリー肌が原因でニキビが生じている場合、食べ物を変えてもよいでしょう。
また、普段は問題なく食生活ができている人でもニキビのある期間中は特に注意していくことがおすすめです。
避けたい食べ物は、脂っこいもの・辛味や酸味など刺激が強すぎるもの・甘いものです。
少量食べる程度であれば問題ありませんが、上記の食べ物が食事の中心とならないよう対策していきましょう。
反対に、肌によいとされている食べ物は以下の通りです。
・タンパク質:肉・魚・たまご・大豆・牛乳やチーズなどの乳製品など
・ビタミンB2:たまご・納豆・大豆・レバー・海苔などの海藻など
・ビタミンB6:マグロ・カツオ・サケ・肉・バナナ・にんにくなど
・食物繊維:穀物・イモ類・豆類・緑黄色野菜・果物・海藻・きのこ類
・ビタミンA:ニンジン・かぼちゃなど・緑黄色野菜・牛乳やチーズなどの乳製品・卵など
・ビタミンB1:胚芽米・玄米・豚肉・うなぎ・豆類・海藻など
・ビタミンC:赤ピーマン・芽キャベツ・ブロッコリー・レモンなど
特にタンパク質は肌細胞を作りだすエネルギー源となるため、積極的に口にしましょう。
肌のターンオーバーサイクルを正常化するビタミンB2やビタミンB6、血行を促進するビタミンE、肌トラブルの解消やお通じ改善に効果的な食物繊維などもおすすめです。
生活習慣を見直す
運動不足・睡眠不足・ストレス過多など思い当たることがある人は、生活習慣の見直しをしてみましょう。
慢性的な運動不足に陥っていると肌の代謝が低下するため、ニキビや肌荒れにつながります。
また、座り仕事の時間が長い人は定期的にストレッチをして血行を巡らせるなど、こまめな対策をすることもおすすめです。
また、睡眠不足が深刻だとアクネ菌や雑菌に対する免疫力が低下します。
同じアクネ菌の量でも睡眠不足な人の方がニキビなど肌トラブルに悩まれやすく、反対に質のいい睡眠がとれている人はニキビができづらくなるでしょう。
まずは十分な睡眠時間を確保することが理想ですが、仕事や子育てなどの影響で難しい場合はぬるま湯につかったり軽い運動をしたり、睡眠の質を高める方法もあります。
同様に、ストレスの原因からはなるべく距離を取るなど、自分のメンタルバランスと向き合うことも大切です。
暴飲暴食をしない、禁煙もしくは減煙する、アルコールはほどほどに、など基本的な生活習慣を見直してみるきっかけとしても有効です。
ニキビの炎症について、よく聞かれること
最後に、ニキビの炎症についてよくある質問を紹介します。
自分も気になることがあれば下記をチェックし、素朴な疑問を解消していきましょう。
Q.ニキビの炎症はいつ治る?
多くのニキビは、炎症が起きて5日~1ヶ月程度で治ります。
ただし、炎症が収まっても症状が2ヶ月程度続くこともあるため注意しましょう。
また、今炎症が収まりかけているのかこれからさらに酷くなる可能性があるかの見極めは難しく、いつ頃治るか自分だけで判断するのは至難の業です。
そのため、抗炎症・抗菌作用のある薬を効果的に活用して炎症を早めに抑えることが大切です。
ケミカルピーリングなどターンオーバーサイクルを正常化させるための治療法もあるため、参考にしてみるとよいでしょう。
Q.膿が発生したらどうしたらよい?
膿がはっきり分かるくらい化膿してしまったら、可能な限り早く医療機関に相談しましょう。
マシュマロリフト、ケミカルピーリング、IPL、面ぽう圧出など医療機関でしかできない治療方法を提案してくれます。
指でつぶすなど無理なセルフケアはしないよう心掛け、炎症の原因である膿を除去することが大切です。
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まとめ
ニキビをきれいかつ早く治すコツは、炎症を抑えることにあります。
生活習慣の見直しはもちろん、薬や医療機関での処置なども視野に入れて早めの治療に踏み出すのがよいでしょう。