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生まれつきのゴルゴ線がコンプレックスで解消したい?ゴルゴ線について解説します
シワ

ゴルゴ線とは?原因は何?
ゴルゴ線とは目の下の頬に斜め下に伸びているくぼみやしわのことで、漫画のゴルゴ13の主人公の顔にこの線が描かれていることからそう呼ばれるようになりました。
ミッドチークラインと呼ばれることも多く、これを気にして治療を希望される方が多いです。
この線は一体何かというと、皮膚と筋肉、骨をつないで支える支持靱帯があり、英語でリガメントといいますが、この靱帯が皮膚を骨の方向に引っ張ることで出来ているものなのです。
触ると少し硬いことがお判りいただけると思います。
昔はこのくぼみを盛り上げるようにヒアルロン酸を入れてくれ、というリクエストが多く、ここにヒアルロン酸を注入したところで盛り上がるわけじゃないということを説明するのが大変でした。
当時はリガメント、という考え方が普及しておらず、私も昔はその概念を知らなかったのでうまく説明ができず、押し切られて少し注入することもありました。
ただ、あまり効果がないとは思っていたので、ぼこぼこしないように柔らかい製剤を周囲になじませるように打って、少し改善した!と喜んでもらってはいましたし、今もどうしても、と強く希望されて断り切れない場合は、この手法を使うことはあります。
しかし、リガメントは骨の方向に皮膚を引っ張っているわけで、その部位のボリュームが足りないわけではないのです。
だから、そこにヒアルロン酸を入れても膨らむわけもありません。
ただ、皮膚の浅い層がたるんでいて、ハリを出すようにしてあげれば多少目立たなくなることはあるので、そういう効果が期待できそうな方にだけ押し切られてやっています(笑)。
加齢とともにゴルゴ線が目立ってきた・・・消し方はある?
加齢とともに、ゴルゴ線より上の部分の脂肪は痩せやすく、下の頬の脂肪は増えてくる傾向にあるため、重力に従って下に頬の皮膚がずり落ちていくことになります。
それによってゴルゴ線が目立つようになるのです。
また、皮膚と筋肉、骨をつないで支えるリガメントは若い時はしっかり骨に対して垂直に立っていますが、加齢とともに倒れていきます。
それによって支えきれない皮膚が下に下がってくるのが、たるみです。
加齢とともにたるみが生じ、たるむとまた重力に負けてリガメントもより倒れるという悪循環で、たるみが加速します。
このたるみも、ゴルゴ線を目立たせる要因です。
最近のヒアルロン酸注入は、このリガメントを補強するように注入する手法が用いられており、倒れかけたリガメントを立ち直らせることによって、たるみ改善効果が得られ、ゴルゴ線の解消に役立ちます。
最近では、たるむ前からリガメントを補強しておく方がよい、と若いうちからのヒアルロン酸注入も推奨されてきています。
生まれつきのゴルゴ線は解消できるの?
そうは言っても、若い時からゴルゴ線が目立つ人はいます。
10代のころからはっきりある人もいます。
生まれつきなので老化ではないのですが、ゴルゴ線を消したいと来院される若い方はたくさんいらっしゃいます。
脂肪が少ないとか、逆に多すぎるとか、リガメントが強固であるとか、皮膚が柔らかく弾力が足りないとか、原因はいろいろありますが、改善には結局リフトアップが一番です。
生まれつきなのだから若いうちからあって、決してたるんでいるわけではないけれど、でもやっぱりリフトアップするしかないのです。
ではどうやってリフトアップするか。
たるんでいるわけではないので、HIFU(ハイフ)などの機械はあまり効果がないかもしれません。
もちろん、たるみ予防にRF(ラジオ波)などの機械でメンテナンスすることは大いに意味がありますし、推奨している立場ですが、若い人にHIFUは要らないと実は思っています。
ある程度年齢が進んで皮膚にたるみが生じている場合は、HIFU+RFでゴルゴ線は結構浅くなります。
痛いことや針を刺すなどの治療が怖い人にはおすすめの治療です。(最近のHIFUは痛くないので)
脂肪が少ない部分がある人(逆に多くなっている部分があっても)、骨が痩せてきている人にはヒアルロン酸注入がおすすめです。
それでも、ゴルゴ線の上にはほとんど打ちません。
こめかみとか頬の耳に近いあたりとかに注入して、しっかり引き上げ効果を狙います。
あとは糸のリフトもよく行われます。
これもお顔の状態に合わせて糸の配置を決めないと、あっという間に元に戻ってしまったり、効果が出なかったりということがあるので、デザインは大切です。
生まれつきのゴルゴ線に悩む人には、ヒアルロン酸注入か糸の治療を行うことがほとんどです。
場合によっては併用することも。
コンビネーション治療、という言葉がよく使われますね。
韓国のソンジュンギという俳優さんをご存じでしょうか。
彼はゴルゴ線が割と目立つ顔立ちで、もちろん若くてたるんでいるわけではありません。
ブラッドピットも若い時からありますね。
男性はそれが精悍に見えてかっこいいので、私は好きなんですが、男性でもタイプによっては浅くした方がいい場合もあるので、男性の患者さんからのリクエストもお受けしています。
NETFLIXのファーストラブ・初恋というドラマを夢中になって見ましたが、主演の満島ひかりさんのゴルゴ線が目についてしまいました。
しかし、そのゴルゴ線のおかげで、はかなげな感じがあってとても素敵だったので、必ずしもこれと戦う必要はないなあと思ってしまいました。
たぶん、みんな、生まれつきのものだと思います。
正体がリガメントなので、完全に消すことは難しいゴルゴ線ですが、必要に応じて治療を行っていけばいいものなのかな、と思います。