この記事の監修者
- 美容皮膚科医
- 朴 順華
（ぱく じゅんか）
にきび、肌荒れ、シミ、シワ、タルミの１つが解消されただけで気分が上がり、心も軽く、明るくなります。その気持ちの明るさは美しさにもつながります。是非、実感して下さい。患者さんの悩みに、外側と内側の両方からアプローチします。
（※保険診療科では皮膚科を担当します）
毛穴トラブルをタイプ別に美容皮膚科医が解説
毛穴
目次
「毛穴レス」「陶器肌」と言われるのは毛穴の目立たない肌のことをさします。スマホで美肌アプリを使うと、ズームでアップにしても毛穴を消してくれます。肌に潤いをもたらすために皮脂を分泌し肌を守るために必要な毛穴ですが、存在感が大きいのは困りものです。トキコクリニックでも毛穴の詰まりや開きのご相談はとても多いです。
今回は毛穴トラブルについてタイプ別に解説します。
毛穴の種類と見分け方は？
毛穴の詰まりや開きと一言でまとめられますが、いくつか種類があり、原因や治療方法も違います。どの種類の毛穴トラブルか診断し適切な治療を受けることが大切。自己流や誤った治療を受けると逆効果になることもあります。
見分け方は、ご自身でも虫眼鏡などがあればある程度はできると思います。皮膚科ではダーモスコピーというライトが付いた拡大鏡を使いますが、当院にはネオボワールという肌診断機があり、開いた毛穴の種類や個数、分布を詳細に診断することができ、治療効果の経過についても詳細にみていくことができます。
毛穴トラブルの種類をまとめると以下の様になります。
１ 毛穴の開き
２ 皮脂詰まり 黒い角栓
３ 毛そのもの
４ 毛穴の黒ずみ（メラニン毛穴）
５ たるみ毛穴
これら１つだけではなく、複合していることも多いです。
ご自身でも虫眼鏡などである程度見分けられると言いましたが、角栓や皮脂詰まりだと思ってご来院されたら、毛そのものだったということも結構多いです。メラニン毛穴だったということも多々あります。
黒い角栓や皮脂が詰まっていると思い込み、皮脂をとろうと毛そのものやメラニン毛穴に対して貼って剥がすタイプのものやスクラブ洗顔を繰り返している方がいらっしゃいますが、効果がないばかりかむしろ肌を痛めてしまいます。手で皮脂を絞り出すのも肌に負担をかけるので絶対にやめましょう。炎症を起こすと凸凹の肌になってしまいます。
黒い角栓や皮脂詰まりがあったとしても、やり方によっては皮脂が増えたりむしろメラニン毛穴を誘発してしまう場合もあるので自己流はおすすめできません。
１ 毛穴の開き
皮脂の過剰分泌が原因であることが多く、Tゾーンとその周辺が多いです。毛穴の形は丸いことが特徴で、脂性肌、あるいは男性に多く見られます。毛穴に詰まっている角栓を除去した後も、毛穴は開きっぱなしの状態であることも多いです。
逆に、乾燥が原因で開き毛穴になることもあります。肌のバリア機能が低下し、キメが乱れて毛穴が目立つようになっています。皮脂によるベタつきと乾燥によるカサつきが混在した状態の場合も開き毛穴であることが多いです。
２ 皮脂詰まり 黒い角栓
鼻を中心にTゾーンに多いですが、頬にもみられます。
原因はいろいろです。にきびの原因と同じですが、皮脂の分泌過剰とブログにも何度も出てくる肌のターンオーバーの乱れ。ターンオーバーの乱れによって厚くなった角質や洗顔で落としきれなかったメイク、スキンケア剤、ホコリなどの汚れが皮脂とまざって皮脂詰まりとなります。毛穴に長時間にわたって汚れと混ざった皮脂があると酸化して黒くなり、黒い角栓となります。
３ 毛そのもの
黒い角栓が詰まっているものと思い、来院される方が多いですが、黒く見えているのが「毛」であることは意外と多いです。毛穴ですから、毛があるのは当然のことです。その毛の太さは人それぞれなので、顔の産毛がしっかりしている方は毛によって毛穴が黒く詰まっているように見えるのです。
４ 毛穴の黒ずみ（メラニン毛穴）
毛穴の中に皮脂詰まりや汚れがないのに、毛穴に色素沈着した黒ずみが見られる状態です。紫外線やスクラブでの洗顔など皮膚への刺激によって、毛包でメラニンが過剰に産生されて色素沈着することで毛穴が黒ずんで見えます。黒ずみが角栓だと思い込んで絞りだそうとすると余計に色素沈着が悪化します。
５ たるみ毛穴
肌の張りはコラーゲンやエラスチンといったタンパク質によってもたらされていますが、加齢によってコラーゲンやエラスチンが減少し、肌の張りがなくなってきます。そのため肌にたるみがでてきますが、毛穴もたるみ、だら～っと開いた状態になります。毛穴は楕円になっていることが多いです。頬、特に鼻の横に多くみられ、毛穴の中に皮脂や角栓が詰まっていません 。
角栓や皮脂詰まり、毛そのものを除去したあとで毛穴が開いたままになっていることもあり、毛穴の開きの種類は複合されているなあと思います。
６ 毛穴番外編 にきび跡のクレーター
ニキビ跡がクレーターになって凸凹みられることがありますが、毛穴の開きとは別のものです。
治療はたるみ毛穴の治療と同じこともありますが、状態によっては別の治療が必要です。
毛穴への治療方法は？
毛穴の開きの種類によって治療はまったく違ってきます。それぞれにあった治療を受けると効果を実感していただけると思います。それぞれの毛穴の開きに対して治療の順番に優先順位もあります。たとえば、毛穴に皮脂や角栓、毛が詰まっているのに、毛穴引き締めの治療を行っても効果がありません。
トキコクリニックでは毛穴を掃除するマシン、色素沈着をとっていくレーザーやマシン、タイトニングで皮膚を引き締めるマシンなど、それぞれに特化したマシンを数多く取り揃えております。開き毛穴やたるみ毛穴には、コラーゲンやエラスチンを増やすような注入やボトックスリフトなどの施術も効果的です。ホームケアでは詰まった皮脂を徐々に柔らかく溶かしていく美容液、色素沈着には美白剤の外用や内服。コラーゲンやエラスチンを増やす美容液や内服もおすすめです。
まとめ
毛穴の開きといっても種類があります。複数の毛穴の開きが混ざっている方も多くいらっしゃいます。それぞれにあった治療を行っていきましょう。
陶器肌や艶肌と言われる肌は毛穴の目立たない肌です。毛穴の開きの治療は一度きりの治療で完結するものではありません。間違った治療で効果がないのに繰り返しやるのは時間とお金の無駄。毛穴の開きについてしっかり診断し、治療の効果が出ていることを確認しながら治療を続けることをおすすめします。効果がでていることを実感すると気持ちも上がります。毛穴の悩み、小さなことでも是非ご相談ください。
