この記事の監修者
- トキコクリニック 総院長
- 小村 十樹子
(こむら ときこ)
美容治療は勿論のこと、病気にならないための治療、がん予防、アンチエイジング治療に熱を燃やして、治療を展開中。
美容コラム
Beauty column.
乾燥
美肌
目次
肌が乾燥する原因、それは「肌のバリア機能の低下」です。バリア機能が低下すると、肌の中の水分の蒸発が進んでしまって、乾燥してしまうのです。
バリア機能について、もう少し詳しくお話ししましょう。
肌の一番表層の部分、実際に私たちが触ることのできる皮膚の部分を角層と呼びます。角層は、角質細胞がちょうどレンガのようでそれを積み上げたような構造になっていて、レンガ同士を引っ付けているモルタルのような役割のものが細胞間脂質です。この細胞間脂質こそが、肌の中の水分が蒸発するのを防いでいるのです。
細胞間脂質は、セラミドと脂肪酸とコレステロールから成り立っています。細胞間脂質が少ないと乾燥することから、乾燥肌向けの化粧品にセラミドが配合されることが多いのだと思われます。
しかし、バリア機能の低下の一番の原因は、角質細胞同士のきっちりと組まれたレンガのような構造が乱れることで起こります。手の乾燥、顔の肌の乾燥など、触ると少しガサガサする感触がありますね。あれは角層の構造が乱れているからなのです。構造が乱れて、セラミドなどの細胞間脂質がバリア機能を果たせなくなり、肌の中からの水分の蒸発がどんどん進んで、カサカサの肌になってしまうというわけです。
乾燥した肌は、角層が乱れているので、それを保護することが必要です。そのため、上からふたをするような役目のものを塗りたいのです。保湿クリーム、美容オイルなど、油分の多いものがお勧めです。ワセリンでもかまいません。
乾燥の程度にもよりますが、乱れた角層を保護するためには油分の方が向いています。しかし、すでに角層内の水分が蒸発して少なくなっているので、まずは化粧水でしっかりと水分を補うことが重要です。ふたをするのはそのあとです。つまり、まずは化粧水、それから油分を塗る。そうやって乾燥した皮膚を保護するのです。
化粧水をつけて保湿クリームを塗ることで、荒れた肌の保護にはなりますが、もっと積極
的に肌の荒れを改善させようと思うと、有効成分を肌の中に入れていきたいと思いますよ
ね。そこで保湿美容液の出番です。
乾燥した肌は刺激に敏感になっているので、できるだけ刺激が少なく、かつ肌の荒れを修復しようとする作用のあるものを選びたいところです。幹細胞培養上清液入り、とかエクソソーム入りの美容液は修復作用があり、お勧めです。減っているセラミドを補充するためにセラミド入りの乳液なども試してみる価値があります。
メイクの上からもシューッとひと吹きで保湿ができると人気のアイテムが、ミストタイプ、あるいはスプレータイプの保湿アイテムですが、一番気にしてほしいことがあります。それは、単なる水分補給では意味がないということです。乾いたところに水を加えるだけでは、すぐにまた蒸発してしまいます。乾いたらその都度シューッとし続けるのであれば意味があるかもしれませんが、そんな暇はないですよね。だから、シューッとするその液の中身に気を配りましょう。保湿成分がしっかり入っていることを確かめてください。荒れた肌の修復に役立つ成分が入っていると、もっと良いですね。
乾燥肌の人は、洗浄力の強いもので洗っていることが意外に多いです。汚れはしっかり落としたい、とか、べたつきが嫌だからさっぱりしたいという気持ちはとてもよくわかりますが、肌が乾燥しているということは洗浄力を弱める必要がある、と考えてください。特にシャワージェルは手足に毎日使うのはNGです。
そもそも手足は皮脂の分泌が少なく、その皮脂をしっかり取り去ってしまうと、角層の乱
れにつながります。
乾燥肌の人は、皮脂の多いところだけシャワージェルをよく泡立てて優しく洗い、乾燥しているところは洗浄料を使わず、お風呂にゆっくりつかったりシャワーで念入りに流したりするだけにとどめましょう。
そして入浴後は、乾燥する前にボディローションやボディクリームなどをくまなく塗りましょう。保湿成分入りの入浴剤を使うのも良いかもしれません。
お顔の場合も、洗いすぎは乾燥につながります。
クレンジングオイルは洗い流しができるタイプはさっぱり落ちるのですが、乾燥しやすいので注意が必要です。しっかりメイクの時は別として、軽いメイクの時は、クレンジングジェルかクレンジングミルクを使うようにした方が安心ですね。
「朝は水だけで洗顔をしましょう」という考え方があり、洗いすぎが乾燥につながることから提唱されるようになったのだと思われますが、だからといって洗わなさすぎるのも問題で
す。
夜に洗顔をしたあと、寝ている間に皮脂が分泌されて時間とともに酸化していきます。その酸化した皮脂は水では落ちません。顔の肌は皮脂の分泌が多く、乾燥している人であっても、手足よりかなり多くの皮脂が出ています。これを水だけ洗顔で済ませて、そのあと、日焼け止めやメイクに進んでいくのは、肌にかえって負担をかけて荒れの原因にもなりますし、それによっていっそう乾燥することも起こりえます。
朝もきちんと洗顔料を使って洗い、そのあと化粧水、美容液、クリームを使って、皮膚を保護して栄養を与えるということが、乾燥肌を防ぐことにつながります。
洗顔料は、刺激の少ないものを選んで、しっかりとした泡を作って優しくこすらず洗い、ぬるま湯で念入りにすすぎます。すすぎが足りないと、肌荒れを起こしやすくなりますから、これも要注意です。しつこいほどすすぐ、これが重要です。
唇の荒れ、乾燥に悩む人はとても多いです。リップクリームはどれを選んだらいいか悩むほど、沢山販売されていますね。唇の乾燥には私もリップクリームを使っているのですが、物によって効果に差があると感じます。
夜はべたっとしたものをたっぷり目に塗って寝るのがお勧めです。日中は軽めのタイプを。
ただし、メンソール入りのものは避けた方が無難です。メンソールが刺激になっていて、塗れば塗るほど荒れが治らない人をよく見かけます。何を使ったらいいかわからない人は、ワセリンを選んでください。グロスはべたっとしていますが、唇の荒れを解消するために使うというよりは、つやを出すためのものなので、保湿は別のアイテムを考えてください。
肌が乾燥する原因、それは「肌のバリア機能の低下」です。バリア機能が低下すると、肌の中の水分の蒸発が進んでしまって、乾燥してしまうのです。乾燥の対策はたくさんあるので、まずはできることから取り組んでみてくださいね。
この記事の監修者
美容治療は勿論のこと、病気にならないための治療、がん予防、アンチエイジング治療に熱を燃やして、治療を展開中。
SNS.
医師目線の美容・健康情報を発信しています。
Reccomend.
その他にも人気のプランをご用意しております
Information.
トキコクリニック 心斎橋院
〒542-0081 大阪府大阪市中央区南船場4丁目7番6号 心斎橋中央ビル6F
菜のはなインナーケアクリニック
(旧トキコクリニック梅田院)
〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田1丁目12-6 E-MA[イーマ]4F
トキコクリニック京都四条院
〒600-8007 京都府京都市下京区四条通高倉西入立売西町76 アソベビル6F〜8F