ニキビの原因

ニキビは毛穴のつまりから始まります。ニキビの原因は大きく3つ。「毛穴のつまり、アクネ菌の増殖、そして炎症です。

①毛穴のつまり

毛穴がつまっている状態をコメド(面ぽう)といい、「白ニキビ」「黒ニキビ」と呼ばれることもあります。「白ニキビ」は毛穴が皮脂と角質で詰まった状態で、酸化して黒くなると「黒ニキビ」と呼ばれます。

②アクネ菌の増殖

アクネ菌は毛穴に多く住んでいる菌で、健常な肌の人にも存在する常在菌です。アクネ菌は酸素を苦手とする通性嫌気性菌で、毛穴が詰まると酸素に触れないのでアクネ菌にはますます住みやすい環境となり、皮脂を栄養にして毛穴の中で過剰に増殖します。 アクネ菌は毛穴の中で表皮細胞の自然免疫反応によって異物と判断され、表皮細胞が炎症性サイトカインであるIL-1αを出し、毛穴で炎症を起こすことがわかっています。(The Journal of Dermatol.2009 Apr;36(4):213-23) 

過剰なアクネ菌は炎症性サイトカインが増えるためニキビを悪化させます。

③炎症

アクネ菌が作り出す酵素「リパーゼ」によって皮脂が分解されると、遊離脂肪酸が作られます。この遊離脂肪酸も炎症の原因となります。

また、活性酸素による炎症もあります。活性酸素は非常に強い殺菌、抗菌効果があるので、生命の維持に必要なものですが、過剰になると炎症を起こしてしまいます。毛穴では、アクネ菌の代謝産物であるポルフィリンに紫外線があたると大量に活性酸素が発生します。また白血球の一部である好中球がアクネ菌を攻撃するときにも活性酸素が発生します。その活性酸素が皮脂を酸化させ、酸化した過酸化脂質が炎症を引き起こします。

炎症を抑える方法とは?

次に、ニキビの原因となる炎症を抑える方法についてお話ししたいと思います。

①毛穴のつまりを抑制する

皮膚のターンオーバーが乱れると毛穴がつまりやすくなります。ストレス、食生活、生活習慣、喫煙、ホルモンバランスの乱れなどさまざまな要因で皮膚のターンオーバーが乱れます。それに加え皮脂の多い方は古い角質に皮脂が混ざって毛穴がつまりやすくなります。

・正しいスキンケア

正しいスキンケアで毛穴つまりを抑制しましょう。洗顔や基礎化粧品は「ノンコメドジェニックテスト済み」「ハイポコメドジェニックテスト済み」と書かれたものが良いです。これらの化粧品は実際に人の皮膚を使ってテストし、コメドができにくかったことが確認されています。https://www.souken-lab.co.jp/safety/comedo.php#gsc.tab=0) 
「ノンコメドジェニックテスト済み」「ハイポコメドジェニックテスト済み」の化粧品はアクネ菌の増殖も抑えやすいです。ニキビの治療にはなりませんが、予防になります。


・ビタミンB群、ミネラル、その他の栄養素の不足

皮膚のターンオーバーの乱れをつくらないように、食生活や生活習慣を整えましょう。当院では分子栄養学に基づいた解析ができる血液検査を行っております。

どんな栄養素やミネラルが不足しているのか、ご自分の栄養状態を知ることができます。ニキビの患者様の栄養解析ではさまざまな栄養素が不足していることがわかります。腸内環境が悪化している方も多いです。ビタミンB群、細胞の元となるタンパク質、抗酸化力のあるビタミンC、E、Aやミネラルのサプリメントを補充していただくことが多いです。

ビタミンB群は皮脂の分泌を調整してくれます。ご自分に足りない栄養素はしっかりとした量で良質のサプリメントで補っていきましょう。

栄養解析と同じようにホルモンバランスを血液検査でみることもあります。ホルモンのバランスによって皮脂が過剰に分泌されていることもあるので、検査してみるのも良いでしょう。

・ピーリング

毛穴のつまりは古い角質が毛穴を覆っている状態です。クリニックでケミカルピーリングを受けることによって毛穴のつまりを取っていくことができます。化粧品にサリチル酸やグリコール酸が入ったものがあるので洗顔のたびに少しずつですが古い角質を取っていくこともできます。

②アクネ菌の増殖の抑制

アクネ菌は常在菌で、皮膚を弱酸性に保ち、他の細菌感染から皮膚を守っている菌です。アクネ菌の過剰な増殖を防ぐには、毛穴のつまりを抑制しエサとなる皮脂を抑制することです。毛穴つまりの抑制については上記に書きました。

アクネ菌は皮脂をエサに増殖するので、皮脂の過剰な分泌を防ぐのが良いです。皮脂の分泌の抑制にはまずビタミンB群を摂取します。ケミカルピーリングは古い角質をとっていく以外に皮脂の分泌を減らすことがわかっています。ケミカルピーリングは適切な薬剤と濃度を選んで、適切な治療間隔で施術を行うことが重要です。

アクネ菌の増殖を防いで炎症をおこさせないようにしましょう。

③過剰な活性酸素の抑制

先ほども言ったように、活性酸素があることは必ずしも悪いことではありません。活性酸素は免疫機能として働いています。しかし、過剰に存在すると体に炎症を引き起こしマイナスに働いてしまいます。活性酸素はストレス、喫煙、過剰な飲酒などによって発生します。上手なストレス解消法を見つけましょう。

できれば禁煙が望ましいですが、ストレスにならない程度に本数を減らすのも良いと思います。飲酒も禁酒でストレスをためるのでは意味がなくなるので、適度な量で楽しみましょう。過剰な活性酸素による肌のダメージを減らすために、抗酸化物質であるビタミンC、E、Aなどの内服もおすすめです。その他、抗酸化点滴もあります。腸内環境を整えることもおすすめします。腸内環境を整えると重要な栄養素が吸収できるようになり、にきびや肌荒れも改善されます。

まとめ

ニキビの原因となる炎症を抑える方法についてお話しました。正しいスキンケアと規則正しい生活でニキビを予防したり減らしていくことができます。

ケミカルピーリングは古くなった角質を取っていきますし皮脂の過剰な分泌を抑制します。当院では分子栄養学に基づいた解析ができる血液検査もあります。自分にいったいどんな栄養素が足りないのか知ることも重要だと思います。不足している栄養素やミネラルを補うことによってターンオーバーの乱れを改善し、抗酸化に働く栄養素を補充することもできます。お気軽にご相談ください。

この記事の監修医師

朴 順華

大阪医科大学卒業後、大阪市立総合医療センター皮膚科をはじめ、大手総合病院皮膚科に勤務を経て、トキコクリニック勤務。4人の子供の母でもあり、話しやすく、親しみがあり、患者さまからの信頼も厚い。20年以上の勤務実績から経験も豊富で、漢方治療から、レーザー、ヒアルロン酸、ボトックス注射まで、オールラウンドにクオリティの高い治療を行う、優秀で器用なドクターである。

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